2010年7月16日
音楽レビューby mossgreen
アルバム: This Is What Happens
アーティスト: The Reign of Kindo
さらさらステキでピアノなロック、The Reign of Kindoの2ndフルアルバム。2010年作です。
手拍子に始まり、ジャジーなピアノが7拍子で切りこんでくる#1「Thrill Of The Fall」にいきなり鳥肌。変拍子の縦ノリを維持しながら緩急を付け、正にスリリングに展開していきます。他にもラテンなドラムとサックスが暑苦しさを演出する#4「Bullets In The Air」など、前作では目立たなかったアグレッシヴな側面が印象的。それらの曲でもふいに音圧が引き、切なげな歌い上げ。メロディーがするりと沁み込んできます。
美しいメロディーが印象的な彼らですが、その中で描かれる歌詞世界には独特な影が落ちています。上記#4では言葉を銃弾に例え、描かれるのは時として無差別に人を傷つける理不尽さ。その歌声は怒っている様でもあり、嘆いている様でもあります。そして、別れを認められず奇跡を懇願する姿が歌われるラストトラック#13「Psalm」。ピアノと手数の多いドラムが創り出す、静かに不安感を煽る音像と相まって、涙を誘います。
どこまでもジャズで、どこまでもポップ。そしてどこまでも綺麗で、どこまでも劇的。そんな彼らの音楽には、相変わらず静かな雨が似合います。
【for fan of what ?】
やはりキーワードは「ピアノ」「キレイ」「ジャズロック」。確実にパワーアップした今作は、過去作どちらのファンにも自信を持ってお勧めします。
ポストロックな要素と歌メロのステキさという意味では、Mutemath好きにもお勧めしたいです。
【↓here is the sound !↓】 and more!(日本盤ボーナストラックとメンバーについて)
日本盤ボーナストラックは、ホントにオマケ感のある遊び心に溢れた二曲。
デビューEPの名作を見事にファミコン化した#14「Needle & Thread (8bit Remix)」はロックマンのBGMを聴いてるかのよう。一方#15「Morning Cloud (Ringtone)」は、前作の曲から一部分を切り取った、ふわりと余韻の残る短い曲。そう言えばこれまたRPGなんかで聞こえてきそうなファンタジーな仕上がりです。個人的にはこういうの大好物です(’A`)!
まだyoutubeには今作の音源は無い模様。という訳で、日本盤ボーナストラックの元曲をひとつ。
“Needle & Thread”(下のビデオ)
この曲ダイスキ。
そしてライナーノーツに書いてましたが、今作リリースを最後に、ピアノ担当Kelly氏が脱退するとのこと。サウンドの中核を担っていた彼だけに、非常に残念なニュースです。。今後彼らはどう変化していくのでしょうか。
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