
ブルックリンを拠点とする3人組、Nation of Language(ネイション・オブ・ランゲージ`)。ニューウェーブやポストパンクを現代の感性で再構築した、情熱的でダンサブルなサウンドで世界的な支持を急拡大させている。フロントマン、イアン・デヴァニーの力強い歌声と、高揚感あふれるシンセ・メロディは、不安や冷笑が渦巻く現代における「希望の光」と評される。
彼らのキャリアは「移動」というコンセプトと共に進化してきた。デビュー作を「車」、続く第2作をクラウトロック的な推進力を持つ「列車」になぞらえ、最新作『Strange Disciple』は各地を巡る「歩行者」の視点で描かれた。本作はLCDサウンドシステムのニック・ミルハイザーをプロデューサーに迎え、アナログ機材とテープ録音にこだわって制作。これまでの直球なシンセ・ポップから、グルーヴ感のあるベースやシューゲイザー風のギターを取り入れた、より深みのある音響へと深化を遂げた。
「執着」や「心酔」という、不健康なまでの情熱をテーマにした本作は、パンデミックを経て躍動感を増したライブパフォーマンスとも共鳴する。「観客の半分が踊り、半分が泣いている」と形容されるそのステージは、今や各地の大型フェスを席巻中だ。Nation of Languageは今、シンセ・ポップの枠を超え、新たな地平を切り拓く現在進行形の最重要バンドである。